Slack × GAS × Geminiで、バックオフィスが“労務AIアシスタント”を内製してみた

はじめに

バックオフィスの「問い合わせ対応」を、もっとクリエイティブに

「これ、どこに書いてありますか?」「申請方法を教えてください」 コーポレート部門のデスクには、毎日同じような問い合わせが届きます。マニュアルはあるはずなのに、なぜか減らない質問の山。本来向き合うべき制度設計や組織づくりに集中したいけれど、目の前の対応で一日が終わってしまう――。

そんなPainを抱えていた私たちが辿り着いた答えは、「ないなら、自分たちで理想のAIを作ってしまおう」というものでした。

今回は、最新AIの Gemini 1.5 FlashGAS(Google Apps Script) を組み合わせ、運用フローに NotionClaude を組み込むことで、現場の負担を劇的に減らした開発の舞台裏をお届けします。

自己紹介

High Linkで労務・総務を担当している吉塚です。

  • 大学生の娘と高校生の息子がいます!子育ても少し落ち着いてきて、最近は自分の時間も楽しめるようになってきました☺️
  • 身体を動かすことが好きで、最近は社会人バドミントンサークルに入りました🏸💛久しぶりの部活っぽい空気感が楽しくて、ゆるく続けています。
  • 旅行も好きで、「弾丸でどこまで行けるか」にひそかに挑戦中です✈️
  • 思い立ったら結構すぐ動くタイプです。仕事でもプライベートでも、スピード感と柔軟性を大切にしています!
  • そして、自分の中でずっと大切にしているのは、「常に成長し続けること」。新しいことにも前向きにチャレンジしながら、少しずつでもアップデートしていきたいと思っています。

経歴(ざっくり)

  • 新卒でホテル業界に入社後、バックオフィス領域へキャリアチェンジし、これまで、10〜80名規模の会社で、人事・労務・総務を中心に幅広い業務を経験してきました。
  • ブライダル映像制作会社、ゲーム会社、スタートアップなど、変化の多い環境でバックオフィス全般に携わってきた中で、「整っていないものを整えること」や「仕組みをつくること」が好きになった気がします。
  • 現在はHigh Linkで、労務・総務を中心にバックオフィス業務を担当しています。

今のお仕事について

これまでいろんな会社や環境を経験してきましたが、「人を大切にしている会社で働きたい」という気持ちはずっと変わっていません。

バックオフィスの仕事は表に出ることは少ないですが、誰かが安心して働けたり、新しい挑戦に向き合えたりする“土台”をつくる仕事だと思っています。

「困った時に相談しやすい存在」でいられるように、日々試行錯誤しながら働いています。

“労務AIアシスタント”内製の裏側

1. FAQ Botを、“もっと相談しやすく”したかった

労務の仕事をしていると、「申請方法を教えてください」「これってどこに書いてありますか?」といった問い合わせを日々たくさん受けます。

もちろんNotionなどに情報はまとめているのですが、必要な時にすぐ見つけられなかったり、「調べるより聞いた方が早い」となってしまったりすることも少なくありません。

一方で、バックオフィス側も、同じような問い合わせ対応に時間を使うことで、本来向き合いたい制度設計や改善業務に集中しづらいという課題がありました。

実は、こうした課題に対しては、以前から労務チーム内でAIを活用したFAQ Botを運用していました。 ただ、運用や仕組みの見直しが必要になったタイミングで、「せっかくなら、もっと使いやすく、もっと自然に相談できる形にアップデートできないか?」と考えたのが、今回の開発のきっかけです。

そこで今回、「もっと気軽に聞けて、自然に自己解決できる仕組みを作れないか?」という発想から、“労務AIアシスタント”を内製することにしました。

また目指したのは、単なるFAQ Botではなく、従業員が心理的ハードルを感じず、まるで隣の席の同僚に聞くような感覚で使える、“親しみやすいAI”です。

2. Slack × GAS × Geminiで、シンプルに構築する

今回のAIアシスタントは、大掛かりな外部ツールではなく、普段から使い慣れているツールを組み合わせて自作して構築しました。

  • Slack:質問と回答を行うインターフェース
  • Gemini 1.5 Flash:回答生成を行うAI
  • GAS(Google Apps Script):各ツールをつなぐ処理部分
  • Googleスプレッドシート:AIが参照するデータベース

あえて身近なツールをベースにしたことで、開発スピードを上げながら、不具合や改善にも自分たちで素早く対応できる構成にしています。

3. Notionを更新するだけで、AIも賢くなる仕組みへ

今回の開発で特にこだわったのが、「情報の二重管理をなくすこと」でした。
社内ポータルを更新しても、AI側の情報更新が追いつかず、回答が古くなってしまう。これは多くのチームがぶつかる課題だと思います。

それに対して、以下のフローで解決しました。

  1. Notionへの集約:労務情報はすべてNotionに集約

  2. Claude Codeで構造化:Claude Code等を活用して、AIが読み取りやすい形式へ構造化

  3. 即座に同期:スプレッドシートへ反映し、Geminiが最新情報を参照

「Notionさえ直せば、AIも勝手に賢くなる」。この仕組みによって、運用の手間を最小限に抑え、常に最新の情報を提供できる体制を構築しました。

 

4. “親しみやすさ”も、プロンプトで設計する

AIに回答してもらう上で意識したのが、「ただ正しく答えるだけ」にしないことでした。

プロンプトには、「同僚のように親しみやすく答えて」「絵文字も使って柔らかく」
といった指示を入れています。

例えば、「振替休日の規定」も、
「〇〇さん、お疲れ様です!振替休日の取り方はですね……✨」
のように返ってくるだけで、かなり相談しやすさが変わります。
単に情報を返すだけではなく、「気軽に聞ける体験」まで含めて設計することを大事にしました。

5. エラーだらけでも、楽しんで、とにかく触ってみる

開発は決して順風満帆ではありませんでした。「404 Not Found」や「429 Quota Exceeded(リクエスト過多)」など、エラーに何度もぶつかりました。

でもそこで絶対に諦めず、そのたびにAPIドキュメントを調べたり、プロジェクトを作り直したり、バージョンの厳密な指定を行うなど、エンジニアリングを楽しみながら一つずつ試行錯誤していきました。

High Linkでは、Philosophy「わくわくで、あらゆる枠を超えていく」を組織の軸として設定しており、わくわく=好奇心をとても大事にしています。好奇心を大切にしながら「バックオフィスだから技術はわからない」という壁を取り払い、自社に最適なシステムを自力で作り切ることができました。

おわりに

技術は、バックオフィスの可能性を広げる武器になる

今回の取り組みを通じて、一番大きかったのは、「自分たちの手で業務をアップデートできる」という実感を持てたことでした。

AIに任せられることはAIに任せ、人はもっと、人にしかできない仕事に時間を使っていく。

そのために、「既存ツールを使う」だけではなく、「自分たちで作ってみる」という選択肢を持てたことは、バックオフィスにとって大きな変化だったと思います。

これからも、「ないなら作る」のスタンスで、現場の不便を少しずつ改善しながら、より働きやすい環境を作っていきたいと思っています。

High Linkで、一緒に新しい挑戦をしていきませんか?

High Linkでは、「わくわくで、あらゆる枠を超えていく」というPhilosophyのもと、香りの総合プラットフォーム「カラリア」中心に、さまざまな挑戦を続けています。

今回ご紹介したように、High Linkでは「バックオフィスだから運用だけをやる」「エンジニアじゃないから作れない」といった役割の線引きを、あまりしていません。

現場で感じた不便や課題に対して、「もっと良くできないか?」を自分たちで考え、AIやテクノロジーも活用しながら、実際に仕組みまで変えていくカルチャーがあります。

もし少しでもご興味をお持ちいただけましたら、ぜひ下記採用情報もご覧ください。