【PJルポ】3ヶ月でゼロから商品化、22歳PMインターンの奮闘記

多くのインターン生が所属し、多様な好奇心と高いエネルギーを持って挑戦をし続けてくれているHigh Link。

その中でも、一際目を惹く活躍をしているインターン生がいます。


一見控えめな性格ですが内面には熱いハートを持ち、高い好奇心と持ち前の地頭の良さをベースに活躍の幅を広げる彼女。

今では執行役員の僕とツーマンで動き、経営企画やPMなど、重要なポジションにアサインし続け、そして期待に応え続けてくれています。


インターン生ながらHigh Linkの成長を支える重要な一員になってくれている彼女が、初めて挑戦した「0→1」の商品開発の中で、どのようなことを考え、どのように行動し、そして何を学んだのか。


2024年5月にリリースした「フレグランスタグ」の商品開発を振り返り、奮闘記として、ルポを書いてくれました。


──── 小林 将也(執行役員 / プロダクトマネージャー)

こんにちは!High LinkでPMのインターンをしているarisa(斉藤有沙)です。

私は2021年10月、大学1年生の秋にインターン生として入社しました。当時は19歳、「会社で働く大人と肩を並べて仕事できたらかっこいい!」という漠然とした思いでエントリーしましたが、そんな私を快く歓迎してくれて3年間で様々な機会と大きな裁量を与えてくれたHigh Linkには本当に感謝しています。

入社から1年半ほどはSNSマーケティングに携わり、インスタグラムを運用するチームのリーダーを経験しました。

その後、自ら希望して経営企画に異動。PLの構成や予実管理のイロハから叩き込んでいただき、ほぼほぼ1人で予実分析や人件費管理の月次運用を回せるまでになったほか、年次予算の策定にも携わりました。

また、今年の2月末からはPMも兼任し、事業推進のプロジェクトや事業課題解消のためのプロジェクト、新規事業立ち上げに向けたリサーチなどを進めています。

事業をつくる楽しさを噛み締めながら働く日々の中で「会社で働く大人と肩を並べて仕事する」という夢を叶えられていると実感しています!

インターン生ではなく1人の大学生としては、ダンスサークルに所属しているので週2〜3で練習があったり学祭でステージに立ったり、みんなでディズニーに行ったりBBQしたりとサークル活動も全力で楽しんでいます💪

今回の記事では、24年2月からの3ヶ月間でPMとして取り組んだ「フレグランスタグ」の企画からリリースまでの過程を共有したいと思います。

PM未経験の状態から商品をリリースするまでに取り組んだことやプロジェクトを通じて学んだことを紹介する中で、「High Linkのインターンを通じてどんなことができるのか?」「そもそもPMのインターンってどんな仕事をしているのか?」「物理商品の商品開発はどう進めていくのか?」などをお伝えできるコンテンツになったらいいな〜と思っています🙌

この記事はこんな方に読んでほしい!

  • インターンってどんなことできるの?と思っている学生
  • High Linkのプロダクト開発やPM職に興味がある人

PM初挑戦の私に降ってきた重責

High Linkは、香りの総合プラットフォーム「カラリア」を提供するスタートアップです。私たちは「香りで世界を彩る」というMissionのもと、新しい香りの楽しみ方を提案し続けています。

High Linkでは4半期ごとのOKRを運営しており、私が所属しているチームの7期4Q(2024/02-04)のOKRは「オプション体験をアップデートすることでARPUを向上させる」という旨のものでした。

そこで、リサーチを通じてユーザー視点と事業視点、それぞれの課題を整理しました。

ユーザー視点での課題は多岐にわたります。

外出機会が減少すると好きな香りを楽しむ機会が減ってしまうこと、仕事や学校などの環境による制約で香水をつけられないこと、また、好き嫌いが分かれそうな香りを外で使用することへの躊躇があります。

さらに、香水自体の香りは好きでも自分の肌に付けると香りが変化してしまうというユーザーの声もリサーチを通じてキャッチしていました。

香水を別の形で楽しもうとしても、キャンドル作りなどは材料の準備や製作過程が面倒です。

これらの要因により、カラリアで注文したアトマイザーや手持ちのフルボトルの香水が使い切れずに溜まってしまい、新しい香りとの出会いへの意欲が減少したり、保管場所の問題が生じたりしていました。

一方、事業視点での課題としては、「香水が余ってしまう」という体験が大きな離反因子となっており、これを抑えることで解約率やスキップ率を低減させたいと考えました。

実際に、毎月の継続利用により1ヶ月で使いきれずに「香水が余ってしまっている」という認識になるユーザーが一定おり、解約やスキップに直結していることが事前のリサーチで判明していました。

加えて、継続的にオプションARPUを向上させることも重要な課題と考えました。

ちなみにカラリアの場合は、ARPUを上げるための施策をさらに分解していくと以下の構造になります。

  • プランARPUを上げる
    • 値上げする
    • 本数比率を改善する(より上位プランの比率を上げる)
  • プレミアムARPUを上げる
    • 値上げする
    • プレミアムアイテム注文ユーザー数を増やす
    • 注文比率を改善する(より追加料金の高いアイテムの比率を上げる)
  • オプションARPUを上げる
    • 値上げする
    • オプションアイテム注文ユーザー数を増やす
    • 注文比率を改善する(より高単価なオプション商品の比率を上げる)

オプションARPUを上げる方針の中で、当時オプションアイテムはアトマイザーケースのみでした。

アトマイザーケースは多くても数ヶ月に一度注文できれば十分な商品なので注文頻度が高くなく、ARPUにはなかなか寄与しない性質を持っていました。

そのため、「アトマイザーケースと違って毎月手軽に頼めるような性質を持つ商品を開発することで、毎月のARPU向上に寄与することができるのでは?」、また「オプション商品に対する親しみを覚えてもらうことで、将来的に展開を予定している高単価商品の販売拡大もしやすくなるのでは?」と考えました。

フレグランスタグとの出会い

次にオプションARPUを向上させるために開発するオプション商品の候補を洗い出し、比較検討した結果「フレグランスタグ」を制作することに決めました。

実際に制作したフレグランスタグ

ここでいう「フレグランスタグ」とは、一般的に広く流通しているような香り付きのものとは少し違います。製品自体には香りがなく無香料で、ユーザー自身が直接香水を吹きかけることでその香りが広がる様子を楽しんでいただける、そんな製品です。

もちろん、フレグランスを楽しむためのフレグランスタグですから、市場や世の中に「無香料のフレグランスタグ」という製品は1個もありません。

それでも、私はカラリアのユーザーにはこれが必要だと思ったし、カラリアがこれを作るべきだと思ったから開発を決めました。

私がフレグランスタグを開発することに決めた最大の理由は、先ほどもお話ししたユーザー課題を最も解決できると考えたからです。

香水愛好家であるカラリアユーザーの皆様でも、どうしても全ては使いきれずに持て余してしまうという事象が発生しています。本当はもっと香水の香りを楽しみたいはずなのに、不本意な事情で香水を存分に楽しめていないユーザーが多くいます。

なので「香水を手軽に活用できる新しい方法」としてのフレグランスタグを提案することで、もっと香水の楽しみ方の幅を増やせるようになり、もっと香水を好きになってもらえるようになる。そして、カラリアのMissionでもある「香りで世界を彩る」にもっと近づくことができると考えたのです。

これは事業視点でも価値のあることです。「香水が余ってしまう」という体験が起きづらくなることで一つの大きな離反因子が解消され、より長く継続的にカラリアを楽しんでもらうことができ、LTVの向上に繋がります。

他にも、当然ですがオプション商品としてARPUの向上に貢献できること、また現行のアトマイザーケースとは違って買い切りではなく毎月手軽に買えるような性質を持つ商品であることも決め手の一つでした。

最大の難関はOEM先の選定

開発する商品を決め、商品企画とデリバリーに動き出します。

フレグランスタグの開発を進めるにあたってのプロジェクトメンバーの構成と担当領域は以下の通りでした。

  • PM(PO):arisa
  • Design:2名
  • Engineer:1名
  • Logistics:1名
  • Fragrance Specialist:1名

PMだけはほとんどこのプロジェクトに付きっきりの状態でしたが、それ以外のメンバーは他のプロジェクト複数個と同時進行でした。

実際の流れに関しては、以下の通り進めました。

  • プロジェクトの要件定義
  • OEM先の選定
  • 製品デザイン
  • ロジ面の整備
  • 試作品の確認
  • 発注
  • 付属品の準備
  • サイト上でのリリースに向けた準備

 

──── OEM先の選定

最も大変だったのはOEM先の選定です。

選定時に考慮したことは、①単価の低さ、②リードタイムの短さ、③デザインの柔軟性、④香りの拡散性の4点でした。

中でも ④香りの拡散性 については難しいポイントでした。一般的なフレグランスタグとは違い、後からユーザー自身が香水で香り付けする商品を作ろうとしていたため、この用法でも充分に香りが広がることを確認する必要があったのです。
地道にサンプルを取り寄せ続け、品質テストを社内のFragrance Specialistと行いました。

また、 ①単価の低さ と ②リードタイムの短さ についても想定以上に難しく、当初の計画よりもかなり妥協する必要がありそうなことがわかりました。

4つ全ての条件を踏まえて「ここだ!」と思えるOEM先はなかなか見つからず、選定は難航しました。

途中、他のPMから「紙製で無香料ならフレグランス専門ではなく普通の紙の印刷会社でもいいんじゃない?」とアドバイスをもらい(自分にはない視点で目から鱗でした)、印刷会社も視野に入れてリサーチしましたが、取り扱っている紙の多くが薄いもので、フレグランスタグとしての使用に耐える厚い紙はなかなかありませんでした。

そこで、同じ発想でコースターの会社をリサーチしたところ、奇跡的にすべてを好条件で制作できるOEM先を見つけることができました。当初掲げた4つの条件はもちろん、印刷会社では難しかった紙の厚さに関しても理想的な条件で制作できることがわかったのです。

フレグランスタグの厚みを決める際に比較していた時の写真

 

──── 製品デザインとロジ面の整備

続いて、製品のデザインに入ります。

デザイナーにプロジェクト全体の要件定義を共有し、想定しているターゲット、使用シーン、製品の暫定イメージを擦り合わせた上で、型の作成と製品のデザインを依頼しました。

検討したデザイン

そして、ほぼ同時進行でロジスティクスの担当者も巻き込みました。

発送時に使用している梱包材や実際に同梱される様子をシミュレーションし、発送時のサイズ規定を考慮して製品の大きさや厚みを調整しました。

また、初回に発注する数量や納品時の荷姿、現場でのオペレーションについても連携を取りました。

 

──── 試作品の確認と発注

デザイナーに作成してもらった型と製品のデザインを入稿し、試作品を確認しました。

事件簿① サンプル確認時の勘違い

デザインを入稿した3-4日後に簡易校正として試作品を送ってもらったのですが、先方とのコミュニケーションミスでこの試作品をほぼ本番仕様と誤認していたため品質に関する議論が発生し騒然となる事態に…

実際にはあくまで本当に簡易版に過ぎず、本番の仕上がりとは全く異なるものだったので最終的な品質には一切問題ありませんでした。

しかし、懸念が的中した際のリスクが大きいことと、不可逆な意思決定であるため慎重に行くべきと判断し、追加で2回の校正(試作品の確認)を挟むことにしました。1回目は本番仕様のオフセット印刷でのデザインの確認、2回目は本番の金型でのカットラインの確認という2ステップです。

全部で3回の試作品確認の工程を経て無事に品質を担保することができ、発注して製造を開始していただきました!

 

──── 付属品の準備商品開発

フレグランスタグの商品開発はこれで一件落着なのですが、実は同梱物として付属品の開発も進めたのでこれも小話程度に紹介しておきます。

フレグランスタグを発注した後、MTG中のふとした瞬間にマネージャーが発した「これ、一緒にシールとか入ってたら面白くない?」という一言で同梱物のシールの開発が決まります(笑)。

それを聞いた私は即座に「めっちゃいい!面白そう!やりたい!!」みたいな返答をした気がします。

実際に作成したシール

少し面白半分で書いてしまいましたが、もちろん勢いだけで作ったわけではなく、このシールの同梱は非常に合理的な施策でした。

このシールの役割は大きく3つで、1つめは利用方法を表記することでフレグランスタグ開封時のUXを向上させること。2つめは目に入る部分に使用開始日と使用期間の目安をセットで記載して貼っておいてもらうことでリピート購入に繋げること。3つめはフレグランスタグ本体の基材臭に関する不安やそれによるお問い合わせを減らすことです。

物理商品の開発ということで、フレグランスタグの開発と同様に要件定義→OEM先探し→デザイン依頼→ロジ連携→発注といった流れで進めていきました。

 

──── サイト上でのリリースに向けた準備

商品の発注を完了したあとは、納品までの期間でサイト上でのリリースのための準備を進めました。

アイテムページ(https://coloria.jp/items/1858)の作成と、それに伴って必要なアイテム画像の用意、「香水」カテゴリではない「オプション商品」としてのアイテムページの設定などを行いました。

作成したアイテム画像

先にも述べた通り当時のオプション商品は事業開始当初からあるアトマイザーケースのみだったため、新たに「オプション」というカテゴリをリリースするための準備が必要でした。

具体的には、カテゴリ一覧の中に「オプション」タブを作ること、オプション商品の欠品時の対応を決めて実装すること、またフレグランスタグは梱包材の厚みの関係で1度に1枚しか同梱できない仕組みにする必要があったため、その仕組みの開発なども行いました。

カテゴリの中に作った「オプション」タブ

 

最後に、リリース時のコミュニケーションを設計して準備しました。

サイト内カルーセルでの掲載とメール配信で認知獲得を狙っていたため、カルーセルのクリエイティブ作成の依頼をして管理画面からそれを掲載、またメールの作成と配信を行いました。

カルーセルの画像

 

事件簿② 最後の最後に起きた”3000枚の悲劇”事件


すべての準備を終えて一安心している頃、事件はやってきます。

OEM先から初回納品される予定の日、いつも通りオフィスで仕事をしていると、なにやら外に見慣れないダンボールが…。

「まさか…」と思いながら伝票を確認すると、そこには「フレグランスタグ 3000部」の文字。そう、なんと物流拠点に到着予定だった商品在庫が手違いで全てオフィスに届いてしまったのです。

当時の絶望のダンボール2箱

この日は金曜日で、1営業日後の月曜日にはモニターの方を対象にフレグランスタグの配布を始める予定だったのでとても焦りました。

結局、土曜日に運送会社に集荷に来てもらい、オフィスから物流拠点へと無事に発送して、ことなきを得ました。

考えてもわからないことはユーザーに教えてもらえば良い

フレグランスタグはカラリアとして初めてリリースする商品で、かつ無香料のフレグランスタグは市販で一般的に流通しているような製品でもないので、「実際にユーザーさまがどのように使ってくれるか」「想定通りに利用してくれるか」という点が懸念でした。

なので実際に、ユーザーリサーチを実施することにしました。モニターの方を募集し、どのようにフレグランスタグを使っていただいたかを調査したのです。

これも商品の製造中、納品を待つ間の期間でモニタリングを設計し、その後メールでモニターを募集、応募してくれたユーザーの中から様々な属性の方が分散するように抽出してモニターを依頼し、リリース前のタイミングでひと足先に商品を送付、実際に使用していただきました。

ちなみにモニターの選定時は、以下のそれぞれの属性のユーザーが均等になるように抽出しました。

  • 年間コース / 月間コース
  • 1itemプラン / 2itemプラン / 3itemプラン
  • 継続月数1~3ヶ月 / 継続月数4~6ヶ月 / 継続月数7ヶ月〜

これらを単純に計算すると理論上は18パターンですが、当時は年間コースで継続月数4ヶ月以上のユーザーは存在しなかったため、実質12パターンに分類できました。それぞれの属性で30人ずつ、合計360人ほどのモニターを対象に商品を配布しました。

そして商品を使い始めて3週間ほど経ったタイミングでアンケートに回答いただきました。

アンケートの結果、吹きかける香水の量・使用場所・使用期間などにおいて、概ね当初想定していたような通りの使い方をしてもらえていることを無事に確認できました。

月間コースの180人の枠に3000人ものユーザーさんが応募してくださいました

「できない」を「できる」に変える執念を持ち続ける

PMとして今回のプロセスの中で一番こだわったことは、「理想を諦めないこと、妥協しないこと」です。

もちろん、何もかも理想にこだわって理想に溺れているだけでは意味がありません。PMの仕事は理想論を描くことではなく、実現させることです。現実的な制約がいくつも出てくるなかで、それらを守りつつどれだけ強いこだわりを込められるかがPMの命の懸けどころなのではないかとこの3ヶ月間を通じて強く感じました。

何か問題が起きたり理想から大幅に遠のいている状態から「今のリードタイムを壊さずに理想に近づける」をどこまで徹底してやれるのか、どうしたらやれるのかを頭が捻れるほど考え続けることがPMとして一番大事なことなのではないかと思います。

 

また、これに少し近いかもしれないですが「どんなにカオスでも想定外のことが起きてもトラブルが生じても絶対に何とかすること」も大事な要素だと思います。

どんなプロジェクトでもきっと”想定外”はつきもので、「それでも絶対に何とかする」ことがPMとしての責任。ここでいう「何とかする」は、「とにかくどんなクオリティでも良いからリリースまで持っていく」ではなく、「その時点でのベストを、最善を、責任を持って選んで実現させる」ことです。

プロダクトに対して一番先頭で責任を持ち、どんな時でも本質を見失わない最善の意思決定をできることが大事なのではないかと思います。

 

加えて、周囲を強く巻き込む必要のあるPMというポジションで最も大事な姿勢は「真摯であること」だと感じます。

PMが一番そのプロダクト(今回はフレグランスタグ)に対して真摯であること、誰よりも成功への意志を持ち、理想の体験の解像度を高く持ち、その実現に夢中になり、責任を負うこと、そしてその姿勢を周りに見せること。

こういったPMの真摯な姿勢にメンバーは必ずついてきてくれるはずだし、逆に真摯でないPMには誰も本気で力を貸さないだろうと強く思いました。

結果を真摯に受け止め、爆速学習する

このように奮闘しながら進めたフレグランスタグの開発でしたが、リリースした結果についてもお話しします。

元々7期4Q(2024/02-04)中のリリースを目指していたのですが、4月中にリリースすることは叶わず、5月のGW明けのリリースとなりました。

これは途中でお話ししたように、デザイン品質の担保を最優先事項とし、校正を2回追加する代わりにリリース時期を遅らせる意思決定をしたためです。

この意思決定に関して振り返っても、優先順位を間違えたとか校正を挟まず4月中にリリースすれば良かったというような後悔は全くありません。これが最善だったと思いますし、これを選んで良かったと思っています。

ただし、これは最初から想定しておくべきリスクだったなと思います。Badシナリオを最初から想定し、スケジュールに組み込むべきだったと強く反省していますし、今後物理商品を取り扱うことがあれば同じ轍を踏まないようにしたいです。

【リリースした際のプレス記事】

また、注文数量についても想定を下回る結果となってしまいました。

想定ニーズの大きさ以外の部分を評価して実施を決めた施策だったこともあり、注文数量を予測しづらいとは思っていたものの、OKRとして置いていた数値を達成することができず非常に悔しいです。

元々ニーズ検証を挟むほどのスケジュール的余裕がなかったために今回は実施しませんでしたが、最初の時点で少しスケジュール的に無茶をしてでもニーズ検証を挟むべきだったかもしれないと今となっては思っています。

どの程度のニーズが見込めるかはより精緻につかめているに越したことはないと思いますし、その結果数値によっては意思決定が変わるということもありえたと今では思います。

 

最後にこの怒涛の3ヶ月間を通して、PMとして駆け抜けた22歳が学んだことを5つ書き残しておきます。

──── リスクを事前に想定すること

1つめは、リスクを事前に想定することです。

ガントチャート上で引くスケジュールは最速最短を目指してギリギリ駆け抜けられるラインを攻めつつ、PM個人としてはGoodシナリオだけでなくBadシナリオを想定しておいて悲観的なスケジュールや結果も見ておくこと、その場合の対応や次善策まで考えられるようにしておくことが大事だなと学びました。

──── スピード、スピード、スピード

2つめは、すべてを爆速でぶん回すことです。

速さが命、速さがすべて。間違ってもいいから速くやる。でも不可逆な意思決定だけは間違えない、そのバランスをうまく取ることが大事なんだと思います。

3ヶ月という期間の短さゆえにリリースというエンドを常に意識する必要がありましたし、OEM先のリードタイムなど自分ではどうにもできない部分があった分、自分でどうにかできる変数の部分はすべて爆速で動かす必要性を肌で感じる日々でした。

──── “本当に”必要な要件を見極めること

3つめは、MVPとしてのミニマムさと、理想のクオリティや品質をバランスさせることです。

最初から100%完璧なものや理想のものを作ろうとせず、どうすればミニマムにやれるのか、でもミニマムな中で最低限担保しないといけない要件は何なのかをうまく見極めることが大事なのだと学びました。

大事そうな要件はたくさんありますが、”本当に”大事なことは、意外と少なかったりします。

──── 多様なメンバーの景色を理解する

4つめは、違う職種のメンバーが何をどんな視点で気にかけているのかの癖やコツを掴んでおくことです。

誰に何をどこまで共有するべきなのかを見極め、他の職種のメンバーはどんな観点で見ていてどんな情報があれば動きやすいのかを理解することでチームとしてスムーズに動くことができるということを実感しました。

──── チームの信頼関係はスピードと成果を高める

最後は、チームワークはとても偉大だということです。

周りを強く巻き込み、ぐんぐん推進していく責任があるPMだからこそ、少し無茶なお願いをしたりわがままを言って振り回したりしても笑って許してもらえるような真摯さとチャーミングさが大事なのだと学びました。

まさにスタートアップの醍醐味を感じられた日々

長くなってしまいましたが、フレグランスタグのPMとして駆け抜けた3ヶ月間は最高に楽しく、刺激的で、怒涛で、あっという間でした。

特に商品開発が佳境の時期は1日ごとに状況が大きく変動していたため大きな意思決定が頻繁に発生しており、まさにスタートアップらしいスピード感とライブ感に溢れていて最高に楽しい日々でした。

決めないといけないこともやらないといけないことも考えないといけないこともたくさんありましたが、毎日様々なことがどんどん進んでいく感覚にとてもわくわくしましたし、やりがいと責任を感じたのを今でも鮮明に覚えています。

個人の経験という意味だけでなく事業としての成果という意味でも、(アトマイザーケースを除いて)カラリアとして初めての自社オリジナル商品・カラリアとして初めてのオプション商品を製作できたことは偉大な一歩でした。

実際に、カラリアのPOPUPを行った際にノベルティとして配布できたり、年間コースのスターターキットとして活用されたりと、自社製品として活躍した機会も多かったのは嬉しかったです。

今回学んだ経験を活かし、今後より大きな成果を残せるよう引き続き頑張っていきます!

High Linkではインターンを募集しています

High Linkは本気で社員と肩を並べてチャレンジングな仕事をしたいという学生にぴったりな環境です。自分の成長と事業の成長に心からわくわくし、インターンというポジションの枠にとらわれず活躍したい方からの応募を心よりお待ちしています!