執行役員・小林将也の夢は「誰かに夢を与えられるようなサッカー選手になる」ことだった。 中学時代はブラジルへのサッカー留学を経験し、東京都選抜ではキャプテンマークも巻いていた小林にとって、プロは通過点。夢を叶えることこそが、サッカーに人生を捧げる意味だった。 しかし、叶えられると信じて疑わなかった夢は、突然にして絶たれてしまう。プロになれなかったのだ。 夢に敗れた今、小林が目指すのは、プロダクトを通じて人々に希望を与えること。「人々の生活に溶け込むプロダクトを生み出し、人々の生活を豊かにし、感動してもらえるプロダクトをつくりたい」と語る。 グラウンドからビジネスシーンへと舞台を変え、勝ちにこだわり続けるHigh Linkの司令塔に、未来に希望を灯す成長戦略を聞いた。 |
人生最初の挫折は突然に
──── もともと、プロのサッカー選手を目指していたと聞きました。
大学に入学するまでの人生は、すべての時間をサッカーに捧げていたといっても過言ではありません。中学生の頃はブラジルにサッカー留学をしていましたし、高校時代は勉強なんてほとんどせず、グラウンドの中を走り回っていましたから(笑)。
それくらい努力しても、プロにはなれなかったんですけどね。
ビジネスパーソンとして毎日を全力で生きられているのは、目標に向かって全てを犠牲にしてきた経験と、それでも夢を諦めなければいけなかった悔しい過去があるからだと思っています。
—— プロになる夢を諦めた理由をお聞きしてもいいですか?
高校を卒業した時点でプロになれなければ諦めると決めていたのですが、最後までオファーをもらえなかったんです。
ブラジル留学から帰ってきたときは、およそ30の高校・クラブから声をかけてもらいましたし、東京都選抜でキャプテンマークを巻いていたので、プロになるのが当たり前だと思って人生を過ごしてきました。
日本代表になってワールドカップで活躍する未来を追いかけていたので、自分が「プロサッカー選手にすらなれない」と知ったときは絶望しました。
—— その絶望をきっかけに、サッカーとは違う世界で頑張ろうと?
いえ、そんなモチベーションもなかったです。
サッカーしかしてこなかったので他のことは何も知りませんし、勉強もろくにしてこなかったので、いわゆる難関大学に進学することもできない。「自分の人生ってなんだったんだろう?」と悔しくなり、高校生活の最後はずっと不貞腐れていましたね。
サッカーの活動が認められ、指定校推薦で大学に進学できたのですが、そのときに考えていたのは「大学生活をとにかく謳歌する」ということです。
将来のことを考えるモチベーションはなかったので、目の前にあることすべてを全力で楽しんで、これまでにできなかった経験を余すことなくやろうとだけ、心に決めていました。
能力を総動員させる環境に進め
—— 大学では、どのような活動をしていたのですか?
授業は全出席、サークルを立ち上げる、そのうえでアルバイトも可能な限りシフトに入る……と、いわゆる大学生のうちにできそうな活動はすべて全力でやりました。
これまで勉強をした経験はほとんどありませんでしたが、それでも大学1年時の成績はほとんどS判定です。ゼミの先生からは「そんなにエネルギーが有り余っているなら、インターンに挑戦してみたら?」と声をかけてもらえるくらいには毎日を全力で過ごしていました。
僕にとってインターンは、どのような会社で働きたいかを決めるうえで非常に重要な時間になりました。1社目はスタートアップ、2社目は大手外資系企業で働いたのですが、それぞれの特徴を知ることができ、「ファーストキャリアはメガベンチャーで働くべきだ」という価値観を得られたからです。
「まだ若いから育成期間だね」という文脈がすごく嫌でしたし、成長の最前線で経験値を積み上げられる環境が自分に合うと理解できたので、急成長中のメガベンチャーこそが、自分にとって最適なファーストキャリアになると確信していました。
—— 就職活動はメガベンチャーに絞っていた?
すべてメガベンチャーです。いくつかの企業から内定をもらい、最終的にはグローバルで事業を展開していた会社の内定を承諾しました。
—— 新卒入社したNewsPicks(現:Uzabase)とは、別の会社の内定を承諾していたんですね。
NewsPicksは、社会人になるまでのインターン先として働いていたんです。成長フェーズにあり、なおかつ若手でも打席に立たせてもらえるカルチャーだと感じられたので、ここで経験を積んで内定先で活躍しようと考えていました。
最終的に、内定を辞退してNewsPicksに新卒入社したのには、理由があります。
ビジネスカンファレンス「WestShip」の運営に携わらせていただき、メインセッションでアサインさせていただいた株式会社刀の代表取締役CEO・森岡毅さんとお話をする時間をいただいたときのことです。
内定先と「1年目から活躍したい」という価値観を伝えたうえでキャリアについて相談してみると、「なんで今さらそんな会社に行くの?」と問われてしまいました。
森岡さんが言うことには、「完成した会社に入ったところで、1年目の社員である君に何ができるんだ」と。
そこでかけてもらったアドバイスは、忘れもしません。
言葉尻までは正確に覚えていませんが、「とにかく自分が持つ能力を総動員させて、実戦の経験値をつむことが大事。若いうちから自分の能力を総動員させる環境に行って実践経験をつければ、自分特有の判断基準ができる。その判断基準こそが凄みになるし、自分のユニークネスになるよ」というような言葉をかけてくれました。
内定先はすでに1,000億の売上(2020年当時)が出ていて、組織も大きくなり、新卒1年目の僕にハードシングスやカオスが落ちてくるような、能力総動員できる環境かといえば、そうではなかったのです
一方、そのときに働いていたNewsPicksでは、すでに能力を総動員させて働く経験を何度もさせてもらっていました。どちらが自分が理想とするキャリアを歩めるか考えた結果、自分が選ぶべきはNewsPicksだったことは言うまでもありません。
内定先は今でも大好きな会社ですし、本当に申し訳ないことをしましたが、NewsPicksに入社したのは正解だったと思います。尊敬できる上司にも巡り合えただけでなく、マーケティングの一大プロジェクトから新規事業の立ち上げまで、さまざまな経験をさせてもらいましたから。
ビジネスパーソンとしての小林将也の99%は、NewsPicksがつくってくれたと思っています。
勝ち続ける組織になる
—— 新たな挑戦の場に、High Linkを選んだ理由について教えてください。
急成長スタートアップのうち多くがto Bビジネスを展開しているなか、to Cビジネスで急成長している稀有な存在だったこと。その稀有な事業をつくっているのは20代の若いメンバーであり、これから先さらに大きな事業をつくれると信じられたこと……などなど、理由を挙げればたくさんあります。
そのなかで、あえてセンターピンを挙げるとすれば、「ポジティブな課題」の多さだったかもしれません。
僕は仕事をするうえで、“進捗感”を何より大切にしています。昨日よりも今日プロジェクトが進んでいる、会社の売上が増える、それによって社会がよくなる……と、毎日少しでも前進していく感覚が好きなんです。
進捗感を得るには、自分がオーナーシップを発揮して、課題を解決することが求められます。
まだまだ解決すべき多くの課題を抱えていて、それらを解決するために、自分に多くの責任を預けてくれるHigh Linkは、挑戦の機会にあふれる理想的な環境だったのです。
—— High Linkがより成長していくには、どのような課題があると感じていますか?
たくさんありますが、一言でいえば“勝ち続ける文化”が弱いことです。
僕たちは、あらゆる領域で価値ある事業を立ち上げ続ける“事業家集団”を目指しているので、連続的な変化と成功に耐え得る強い組織にならなければいけません。そのために必要なのは、強い事業であり、優秀なメンバーであり、勝ち続ける文化です。
カラリアはグロースを続けて会社を支える事業になり、優秀なメンバーも続々と集まっていますが、勝ち続ける文化はまだまだ弱い。これをいかにつくれるかが、High Linkの成長角度を左右すると思っています。
—— 勝ち続ける文化は、どうやってつくるのでしょうか?
足元でできることは、組織に緊張感を持たせることだと思います。自分が持つ能力を最大限に発揮したり、進捗感を得たりするには、常に緊張感がなければいけないからです。
優れたアクションは称賛すべきですが、場合によってはシビアな評価を下さなければいけないときもある。後者は苦しくもありますが、これをしっかりやり切れなければ、個人の飛躍的な成長はなく、したがって事業も成長していきません。
僕は入社後、後から入社したメンバーだからこそ、組織に緊張感を持たせる働きかけを意識的におこなってきました。すると以前に比べ、個人のパフォーマンスが上がってきていたように感じています。
このまま自分たちにプレッシャーをかけ続けられる組織になれば、自ずと勝ち続ける文化が育まれていくと思っています。
個の可能性で、あらゆる枠を超えていく
—— High Linkは新たに、「わくわくで、あらゆる枠を超えていく」というフィロソフィーを掲げました。小林さんにとっての「わくわく」について、教えてください。
僕にとって、枠を超えていくための「わくわく」は、個の可能性です。
時計の針を戻すと、僕は個の可能性を爆発させてきた人たちを数多く見てきました。真っ先に思い出すのは、サッカー日本代表で活躍する三笘薫選手です。
僕は彼のことを小学生の頃から知っていますが、体格に恵まれていたわけでもなく、誰よりも足が早かったわけではありません。むしろ、フィジカルではハンディキャップを背負っていた部類だと思います。
ただ、成長意欲の高さや人間性の素晴らしさは段違いだった。小学生の僕でも「彼が成功しなければ、誰が成功するんだ」と思えるほどでしたから。
そしてやはり、彼は成功しました。きっと、誰よりも高い成長意欲で、尋常ではないストイックさで、仲間に応援される人間性で、個の可能性を最大限まで解放できたからだと思います。
ワールドカップから続く彼の大活躍を見て、わくわくするのは僕だけじゃないはずです。
これからは、僕も彼のように自分の可能性を拓いていきたいですし、仲間の可能性を解放していきたいです。それを実現していくことが、経営レイヤーとしての使命だとも思っています。
High Linkで働くすべての仲間の可能性を解放できれば、僕たちは歴史に類を見ない“事業家集団”になれるはずです。
まずは、恩返しの意味を込めてNewsPicksを超える会社に。そして、グローバルで勝てるスタートアップになれるよう、個の可能性、ひいては組織の可能性を最大化していきたいと思います。
—— 最後に、これからHigh Linkの仲間になる、未来のメンバーたちに向けてメッセージをお願いします。
すごく個人的な話になってしまいますが、僕は小さな頃から、かつてサッカー日本代表だった中田英寿選手に憧れていたんです。僕にとって彼は夢であり、僕もいつか誰かに夢を与えられるようなプレーヤーになりたいと思ってサッカーを続けてきました。
僕はサッカーを諦めてしまいましたが、三笘選手をはじめとする同世代のサッカープレイヤーたちは、僕の夢を実現しています。海外で活躍する彼らを目の前にし、感動して涙を流す子どもたちがたくさんいるんです。
その姿を見るのは悔しくもありますが、人に夢や希望を与えることは、やはり素晴らしいものであるという気持ちは変わりません。そして、人に夢や希望を与えることは、サッカー以外でもできると信じています。
High Linkの執行役員となった今、僕が目指すのは、プロダクトを通じて誰かに夢や希望を与えることです。人々の生活に溶け込むプロダクトを生み出し、人々の生活を豊かにし、感動してもらえるプロダクトをつくりたいと本気で思っています。
中途半端な成功に目もくれず、変化する未来に心躍るメンバーたちで構成されたHigh Linkは、そのチャンスがある会社です。
このメッセージを読んでくれているあなたも、きっと世界を変え、誰かの希望になるプロダクトをつくることに強い意志を持っているのではないかと思います。
その思いは、僕たちと実現しましょう。未来に希望を灯す仲間として、あなたのことを待っています。
構成:オバラ ミツフミ
編集:塩盛 茉優子
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